突然の『胃ガン』宣告。

初の内視鏡検査を終えて、1週間後。



まぁ、小さい頃から、『大病』『大怪我』…など、全くの無縁で生きてきたので、もちろん、この日も、『やっぱりねーただの胃腸炎だってーて。』くらいだろうと。



そうそう。



また、病院の近くのバス停に、「美味しいパン屋さん」があるから、お昼にスタッフと食べるのにたくさん買って帰ろー♪なんてしか考えてなかった。(胃が痛くても、すごい食い意地でしょ。笑)




ドア開けて、


『こんにちはー!!』なんて、いつもの明るさで、椅子に座って、「さぁさ、先生、どうでしたぁ??」なんて、ドキドキもせず話しを聞く体制に入ってました。



先生。『ちょっと、検査結果が…あまり、いいものではなく、胃がんの可能性があります。大きな病院で、もっと精密に検査をすぐにしたいのですが、ご両親に今すぐ電話出来ますか??』と。



私。『あ。はい。』(自分のことと認識してないのか、ポカッーンとしてしまったのか…かなり、冷静。)



先生。『胃がんでも、スキルス胃がんって知ってますか??』



私。『いや、知りません!!』



先生。『胃がんの中でも、進行が早いガンです。』『両親に伝えられますか??』と。




何が起きたかわからない!!



私のことなのかわからない!!



これ、夢の中??



と、思いつつも、案外冷静に母親に電話した私がいました。



『お母さん、今、電話大丈夫??ちょっと、外でて。今、先週やった内視鏡検査の検査結果で、胃がんの可能性があるから大きな病院で早急に調べたいって。で、胃がんでも、スキルス胃がんの可能性が高いんだって。そういうことだから。7月1日に◯◯病院で、説明と再検査することになったから、開けといて。お父さんも。』と。



まぁ、冷静に淡々と伝える私と、電話の向こうの母のパニック状態に温度差があったのは言うまでもなく伝わってました。



先生の部屋を出て、お会計と、紹介状を待つ間、初めて聞いた『スキルス胃がん』について、調べてる自分がいました。




『余命半年から5年。』

早期に見つかって手術が出来たとしても、余命が短いと。




その、文字が、自分のなかに強烈に入って来たのを覚えています。ガタガタして、足が自然と震えていたのを覚えています。



恐怖のドキドキが全身に感じたのを覚えています。



さすがに、パン屋さんに寄ることなんて、すっ飛んで…バスに乗って職場に戻ってる自分がいました。



バス降りて、姉からの着信で、やっと自分に起きた『大変なコト』について、判断がついたのを覚えています。自転車置き場の隅に隠れて、電話したのを覚えています。



その、5分後には、何にも変わらず、お客様の『髪』を笑いながら切ってる自分がいるのにはビックリしました。よかった、この仕事で。



そして、心配してたスタッフには、『なんか、胃が荒れてたみたいで…』くらいでしか、この時点では伝えませんでした。



宣告されて、自分の心が乱れまくってたけど…


世界がひっくり返ってしまっていたのに…



何にも、全く変わらない日常がここには流れていました。




《キヅキ》

『ガン宣告』って、昔と違って、いきなり突然、ド直球で、来るもんなんだと。ドラマと、現実は違うんだね。笑

そして、たった一人のお医者様が放った『言葉』一つで、私と、家族の心がこんなに、乱れ、恐怖と、どうしようもない感覚に陥るとは…

『言葉』って、人を幸せにする力もすごいけど、人をどん底にまで追いやる力もすごいんだと気付いた。